坂本 千弦
Chizuru Sakamoto
『幸福の探究』
新潟    菖蒲地区生涯学習センター
(旧菖蒲小学校2階教室)
東京    gallery J2

過去の記憶や意識の変化を形にすることで、自分と夢や幻想的なものとの距離が縮まる気がする。これらを「線」として出現させた時、その「線」は、三次元における私の輪郭をはっきりとさせ、より身近にある幻想的な世界として、動き・色・質感が、神秘的なヴェールに包まれている体液や内臓を髣髴とさせる。
私たちはそれらを持ち合わせ、今ここに存在しているが、それらが神秘的なものであるが故に触れにくいものとなっている。
しかし、だからこそ渇望の対象になる。渇きは募る。

この「線」を重視した世界では、断片的な紙や色鉛筆のドローイングを描く時の感覚が重要となる。紙の微妙な凹凸を埋める様に描いて行くのだが、細かい線を一つ一つ置いて行く際、私の身体から何かが出てくる感覚、とりわけ、胃の中のものを吐き出す感覚に陥る。これは、気持ち悪い感覚であるが、同時に、初潮の時のような新鮮な気持ちにもなるのである。私にとってはこの経験が、内部と外部の交流であり、体液や内臓を髣髴とさせる作品を作る上で無くてはならないものである。

 
'03
'04